人生史上前代未聞の誘拐事件が起こったあの日から、戻ってきた日常。
事件当日を境に、大好きなあの人は何故か忽然と学校から姿を消してしまった。
どこを探しても誰に尋ねても「急な転校」以上の情報は手に入らなくて。
やり場のない寂しさを抱えながらも、私はあの人のいない毎日をいつも通りに過ごしている。

そう言えば、何だかんだと最近ずっと視界の中にいた彼のことも、ここ数日ぱったり見ていない。
平和だ…。そう思う頭の片隅で、新しい嵐の前ぶれなんかでなければいいなと願う自分もいる。
そんな風に頭に浮かんだ違う顔を引っ込めて、恋しいあの人のことを考えようとした時のこと。

『――やっぱマジなのかよ、  様が怪我したって』
『らしいぜ。今は家で休んでるとか何とか』

あの人と、彼と同じ。規定外の制服を纏った男子生徒たちの会話がふと耳に入って。
その声が紡いだのは彼の名前で、足と思考が止まる。


あの誘拐事件があった日、誰かがミルフィオーレの大事な情報を盗み出したこと。
その情報が他の不良グループに横流しされたのが原因で、彼が後日襲撃を受けてしまったこと。


彼は事件当日、情報を守るのをそっちのけでどこかに駆けつけていたらしいこと。

こっそり立ち聞きした話の断片は、事の全てを悟るには不十分で。
だけど私にひとつの真実を教えた。



衝動的に調べた住所。
目指して歩く足は今もまだ迷っている。でも。


「それってやっぱり、私のせいでしょ……」





果たしてこの梅雨空に晴れ間はさすのか!泣いても笑ってものラストミッションです!

誘拐事件を境にいなくなってしまったリッピを想い過ごしている女の子の元に舞い込んできた一つのニュース。
それはペアの彼が敵対不良グループの襲撃によって怪我をし、学校を休んでいるというものでした。
同時に、あの事件の日、彼が危険を冒して自分を助けに来てくれたのだということも知ってしまいます。

大なり小なり責任を感じた女の子が、彼の自宅までお見舞いに行くというシチュエーション。
お話は女の子が彼の家の前まで来たところから始まるものとし、「neighbor」掲示板をご利用ください。
書き込みは女の子の方からお願いいたします。次のレスで家でお休み中の男の子が登場。
以降はその場でお話するなり自宅に招き入れるなりご自由に、本編期間中では最後のひと時を思い思いにお過ごしいただければと思います。

男の子に関しては「リッピが横流しした機密情報を手に入れた他組織に襲撃を受け怪我をした」という設定が共通となりますが、怪我の程度や内容はお任せします。
また、女の子がニュースを耳にした経緯は必ずしも上記ストーリーの通りでなくて構いません。なお、男の子は最初のレスのロール内にてご自宅の様子を、(戸建てなのかマンションなのか、一人暮らしなのか実家なのかなど)簡単にご説明ください。

イベント期間は6月22日から7月1日までの10日間。
リッピに翻弄されてきた二人の関係に、変化は生まれるのでしょうか――。